令和4年1月31日から、法務局における「実質的支配者リスト制度」の運用が始まりました。
「実質的支配者」とは、簡単に言えば、株式会社の議決権総数の50%を超える議決権を有する人(≒発行済株式の50%超を保有する人)、もしくは該当者がいない場合は、同じく25%を越える議決権を有する人のことで、文字通り会社経営を支配する権限を有する人のことです。

すでに平成30年11月から、株式会社設立時に公証役場での定款認証の際に実質的支配者となる者を申告し、その者が暴力団員等に該当するか否かを確認する制度が運用されており、今回の「実質的支配者リスト制度」は既存の会社を対象とした類似の制度と言えるでしょう。

制度の趣旨としては、公的機関において株式会社の実質的支配者に関する情報を把握することにより、会社としての透明性を向上させ、資金洗浄(マネーロンダリング)等を目的とした会社の悪用を防止することにあります。
株式会社の申出により、法務局(商業登記所)が実質的支配者に関する情報を記載した書面を保管するとともに、会社に対してその写し「実質的支配者リスト」が交付されます。交付されたリストの使途としては、主に銀行等金融機関への提出が想定され、金融機関は犯罪収益移転防止法に基づく取引時における確認に用いるものと考えられます。現に、新規設立会社名義の銀行口座開設時に提出を求められた事例も出てきています。今後、制度が一般に浸透することで、より多くのケースで提出が求められることになりそうです。

「実質的支配者リスト」の交付申出は、本店を管轄する法務局に対して、必要書類を提出することで行い、交付手数料はかかりません。
(参考URL:法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00116.html )

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