自己株式とは、会社が保有する自社の株式の事で、「金庫株」とも呼ばれているものです。自己株式の取得条件や取得後の自己株式の権利には一定の制限が課されており、一般的な株式とは扱いが異なるところがあります。

①自己株式の取得
自己株式を取得すると、実質的に株主に対する出資の払戻しと同様となるため、債権者を害する事になったり、取得する金額によっては株主平等原則に反するおそれもあるため、以下のようなルールが設けられています。

1)取得できる条件
無条件に自己株式を取得できるわけではなく、会社法155条各号に定められた場面でのみ、自己株式を取得することができます。株主との合意による有償取得、相続人が所有する株式を会社が買い取る、などがよくあるケースとなります。

2)財源規制
会社の資本を維持する必要があるため、株式の取得の対価として交付する金銭等の帳簿価格の総額は取得時の分配可能額の範囲内にしなくてはならない、というルールがあります。

3)株主からの売主追加請求
特定の株主からのみ自己株式の有償取得をすると株主の平等原則に反するおそれがあるため、特定の株主から会社が株式を有償で取得する場合、他の株主は自分も売主として追加するように会社に請求することができます。

②自己株式の権利
通常、株主に認められている議決権の行使、剰余金の配当、残余財産の分配などの権利は自己株式には認められません。

③自己株式の処分
自己株式の処分については、基本的に募集株式の発行と同じ手続きに基づいて行う必要があります。ただし、会社法の規定に基づいて会社が株式を交付する場合に、自己株式を交付する場合には、この限りではありません。

④自己株式の消却
会社は自己株式を取締役の過半数の一致(取締役会設置会社では取締役会の決議)により、消却することができます。自己株式の消却を行った場合、会社の発行済株式の総数が減少します。

様々なケースで自己株式を取得する事もあるかと思いますが、自己株式には一定の制限が定められています。パートナーズ司法書士法人では初回のご相談を無料で承っておりますので、お悩みの際にはお気軽にご相談いただけますと幸いです。