5月~6月は多くの会社が定時株主総会を開催する時期ですが、ご自身の会社について株主の状況(株主の住所氏名、保有株式数等)は把握できていますか?

本来、株式会社は株主名簿を作成する必要があり、違反に対しては過料も定められています。
一度、もし自社株主名簿を作成していない場合には、一度株主を再確認して整備しておくことをお勧めします。

現在では株主総会決議を経て登記事項を変更する場合には登記申請書に「株主リスト」の添付が義務付けられていますし、そもそも、株主総会の招集通知、剰余金の配当など、会社にとって自社の株主を把握しておくことは不可欠であって極めて重要なことですが、中には把握できていない社長さんもいらっしゃるのが実情です。必要に応じて株式譲渡の手続を行って、名ばかりの株主がいない状況にしておくようにしましょう。

例えば、平成2年の商法改正以前に設立された会社の場合、当時は設立時に7人以上の発起人(=株主)が必要であったため、全く経営に関与しない親戚などの名前だけ借りていたケースもあるでしょう。そのような名ばかりの親戚であっても以後に株式譲渡などをしていない限り株主に違いないのですが、年月と共にその記憶が薄れてしまったり、社長の代替わりで情報が引き継がれなかったりで、結果として当時のままになっているケースもあります。他にも、自社株を保有していた役員や従業員が退職したり死亡した際、会社として株を買い取らなかったために、その保有分が知らぬ間に相続人へ承継されているケースもあります。現行会社法では「株券を発行しない」ことが原則になっており、『株券』というモノがないため、余計に株主が誰かということを把握しづらくなっているとも言えるでしょう。

【株主名簿の例】