会社の本店を移転する場合、現在の本店所在場所と新しい本店の所在場所が、同一の市区町村内か/別の市区町村か、また、同一の法務局の管轄内か/法務局の管轄が変わるか、によって、必要な手続きや書類、登記費用が異なります。

1.定款変更の必要の有無

会社定款には必ず「本店の所在地」が規定されていますので確認しましょう。

一般的には『当会社の本店は、埼玉県川越市におく』のように、最小の行政区画(○○市、東京23区なら○○区など)までを定めている会社が多いですが、『埼玉県川越市脇田本町29番地1におく』のように町名番地まで定めている会社もあります。

(ⅰ)定款で町名番地まで定めている場合

(ⅱ)定款では最小の行政区画まで定めていて、新しい本店が別の市区町村の場合

上記2つの場合は、定款変更が必要であり、株主総会の特別決議で定款変更の承認を受けなければなりません。

(ⅲ)定款では最小の行政区画まで定めていて、新しい本店が同一の市区町村内の場合

この場合は定款変更は不要です。

2.法務局の管轄変更の有無

現在の本店と新しい本店を管轄する法務局が、同一か/変わるかを確認しましょう。

埼玉県の場合は、県内全域がさいたま地方法務局本庁の管轄なので、県内の移転であれば法務局の管轄は変わりません。一方、東京都の場合は、管轄が細かく分かれているため、東京都内での移転であっても法務局の管轄が変わることがあります。

登記申請において、法務局の管轄が変わる場合は、現在の管轄法務局宛の申請書と、新しい管轄法務局宛の申請書をそれぞれ作成して、両方を同時に現在の管轄法務局へ申請する必要があります。また、新しい管轄の法務局に会社印鑑を届け出る必要もあります。