会社が商号を変えた場合、「商号」は登記事項ですから、登記記録(会社の登記簿)を書き換えるための変更登記を申請する必要があります。
では、会社の印鑑証明書にも「商号」が記載されていますが、この変更は申請しなくても良いのでしょうか?
結論は申請不要です。印鑑証明書の商号は登記記録が書き換われば連動して変更されるので、商号変更登記完了後に取得する印鑑証明書は新しい商号になっています。

ところで、商号を変更した場合、会社印鑑を変更する必要はあるでしょうか? 
意外に思う方もいるかも知れませんが、印鑑の変更は必須ではなく、旧商号の印鑑を継続して使用しても登記手続き上の問題はありません。
しかしながら、ほとんどの場合、新商号の印鑑を用意して、商号変更登記と同時に、印鑑の変更手続きを行っています。
印鑑の変更手続きは、「印鑑(改印)届書」に新しい会社印鑑を押し、かつ届出人である会社代表者の個人実印を押して市区町村長発行の印鑑証明書(発行後3ヶ月内のもの)を添付して、管轄法務局に提出することで行います。
なお、この場合でも、印鑑カードについては、既存のものをそのまま利用できるので新たに発行を受ける必要はありません。

ちなみに、令和3年2月から、会社法改正により印鑑の届出そのものが任意となっています。
登記申請をオンライン申請の方法で行って印鑑に代わる「電子証明書」を使用すれば、登記申請書に「印鑑」を押さなくても良くなったのです。
けれども実務においては、登記申請の添付書類には「印鑑」を押す必要が生じることがまだまだ多くありますし、登記申請以外の場面(例えば、銀行との融資契約の場面)で会社の「印鑑」と「印鑑証明書」の提出を求められることがほとんどでしょうから、いましばらくは印鑑の届出はほぼ必須と言えるでしょう。