株式会社の定款には、商号、目的、本店の所在地、発行可能株式総数などが記されており、会社設立後にそれらを変更する場合には、株主総会における特別決議により定款変更を決議することになります。そして、株式会社には定款を本店及び支店に備えておく義務がありますので、定款の変更内容を明らかにして保管する必要があります。
 その方法としては、設立時の定款(「原始定款」と呼びます)に変更を決議した株主総会議事録を添付しておくことでも足りますが、変更回数が多くなると議事録の数が増えて分かりづらくなりますので、それよりも、変更の都度、変更事項を反映させた定款を再作成する方法が望ましいと考えます。

 定款を再作成する方法ですが、多くの場合、書面をもって作成し、それを原本とします。原本の末尾には「本書は当会社の定款である。」旨を記載して会社代表者の記名と会社実印を押印することで真実性を担保します。なお、会社設立時と異なり、再作成後の定款について公証役場の認証を受ける必要はありません。(電磁的記録により再作成することも認められますが、記名押印に代わる会社代表者の電子署名を有していないことも多く、書面をもって作成する方が一般的でしょう。)
 なお、このようにして再作成した定款を、登記申請の添付書類として法務局に提出するときや金融機関や官庁に提出するときには、全ページのコピーを取って最終ページに「この写しは当会社の定款の原本に相違ありません。」との文言を記載して会社実印を押すことで原本証明をします。

 冒頭に記載したように、株式会社には、現在有効な定款を備え置く義務がありますので、定款変更があった場合には、都度、定款を再作成して保管しておくべきです。
 これまでに定款変更を行いながらも定款の再作成を行っていないような場合には、現在の会社の登記事項や現行会社法に適合した内容の定款を作成しておくことが望ましいと考えます。パートナーズ司法書士法人が書類作成など手続きをお手伝い致しますので、まずは無料相談をご利用ください。