従来、株式会社の設立手続きは、

  1. 公証役場に定款認証を予約して、予約日に認証を受けて定款を受領
  2. その後、法務局へ認証済み定款及び他の書類を添付して設立登記を申請する

という2段階の工程になっており、どうしても日数を要していました。今回の新たな仕組みではそれらを同時に行えるようにすることで、迅速に会社を設立できるようにする狙いがあります。さらに、添付書類の全てを電子データ化するなど、一定の要件を満たす場合には、原則として設立登記申請後24時間以内に登記が完了することになっています。現在も申請後3執務日内の登記完了を原則とする運用がなされていますが、さらに短縮されることになります。

1つ留意すべきは、この新たな仕組みを利用するには「電子署名」が必要であり、個人の場合はマイナンバーカードの発行を受けている必要があるということです。マイナンバーカードに搭載されている「署名用電子証明書」の機能を利用するためで、発起人が複数名いるときは全員がマイナンバーカードを持っている必要があります。

また、手続を専門家に依頼する場合には、定款認証と登記申請の両方を代理できる必要があるため、司法書士あるいは弁護士に依頼する必要がありますのでご注意ください。(行政書士は定款認証は代理できるが登記申請を代理できないため。)